母と私と双極性障害

今日、久しぶりに母と買い物に出かけた。

 

 

私と母は、とても仲がいい。

大げさではなく、一度も喧嘩をした記憶はお互いにない。

 

長女として生まれたことから、祖母と親戚のありとあらゆる女性たちに、お母さんを支えるのはあなたしかいないのよと教え込まれた。父は仕事でいつも家にいなかったから、母を守ってねと私にいつもお願いした。妹も2人いるので、私は幼い頃から、母を守り、妹には母親代わりのことをしてきた。

 

母は、実質的にほぼ家にいない父に代わって毎日私たち兄妹の世話をした。

ちゃんとした食事を毎日三食作り、洗濯、掃除、学校の送り迎え、宿題。

父は事業をしていたので、父の仕事も手伝っていた。

自宅が町から離れた田舎にあったこともあり、知らない土地にきて、なかなか友達にも会えないような環境の若い頃の母は、それは辛かったといつも話してくれる。

私の記憶の中の母も、私たち子供のいる居間とは別の部屋の椅子に座って、時々静かに1人で泣いている母の姿が鮮明に残っている。

 

私にとって母は、どんな時でも反抗の対象になるのは以ての外、守ってあげないといけない存在だった。

 

今でも母とは、昨日見たテレビ番組の話から、政治の話、家族の話、病気の話、いろんな話をする。

 

病気で辛い時は、文字通り駆けつけてくれる。

長女で責任感が強く育った私に甘えていたと反省している母は、私が病気になってから私を抱きしめたり、さすったりスキンシップをしてくれるようになった。

私はそれがとても好きだ。月並みの表現かもしれないけど、心がほっと温まって、息ができる。

 

私が辛い時は、母だって悲しいのを知っている。

私が見えない所でも、私のことを想って辛い気持ちになっていることを知っている。

苦しんでいる私を見て、自分も涙を流しながら代わってあげたいという母に、返す言葉が見つからない。

 

この病気になって、母を苦しめている自分が、どうしても許せない時がある。心配ばかりかけて、ちっとも一人前になれない。悲しませてばかりで、少しも安心させてあげられない。

だからと言って、何が一番母親孝行かというときっと一人前になることだ。

そのためにはまず経済的に自立しないといけない。

 

毎日どうにかしようともがいているけど、なかなか前に進んでいる感覚がない。

 

母は基本的に陽気な人だ。他のママさんと変わらず心配性だけど、若い頃にとても苦労をしていて、その頃のことを思えばどうだってなるというのが彼女の口癖。

だからこそ、私がこんな状況でも、母は何でもない話をして笑ったりする。

 

母の負担を少しでも減らしてあげたい。

そう今まで思ってきたのに、この病気になってから全然それができてない。

それどころか負担を増やしている。母はもう十分に心配し、苦労してきた。

 

母は、優しく、そして逞しい。

 

せめて私の感謝を言葉で伝える努力を、今はしている。

私のことに関してでなくても、どんなに母が努力しているか。どんなに立派か。

 

今できるのはせいぜいそれだけ。

一日も早くもっと恩返しがしたいと、心ばかりが焦る。